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許容応力度計算について

こんにちは。夏目です。

最近は気温の変化が大きいですが、いかがお過ごしでしょうか。
私は先日体調を崩してしまい、日々の体調管理の大切さを痛感しています。

 

さて、今回は駆け出してはありますが、許容応力度計算を何軒か経験して感じたことを記していこうかなと思います。

 

マドリヤでは標準で許容応力度計算を行い、耐震等級3相当で設計していますが下記項目について考慮されているプランはすごく自然な形(ホールダウンが少ない、配筋がシンプルなど)で成立しているなと感じます。

 

・耐力壁区画
・壁の配置
・吹抜の位置関係

 

それぞれ私なりに解説してみます。

地震などに耐えるために通常より強くした壁を耐力壁といい、耐力壁を配置して、1枚でも耐力壁が入っている通りが耐力壁線となります。
その耐力壁線で囲まれた区画を耐力壁区画といいます。

 


建物の力は上から下に流れますが、壁については耐力壁に流れていきます。
そのため、この耐力壁区画が上階に対して下階が揃っていると力の流れが自然になり強い住宅になります。

 

次に壁の配置は上記の話もありますが、一般的に南側には開口を多くとるかと思います。
ただ、その場合に南側に耐力壁を入れることができなくなり、北側の耐力壁が多くなることで配置のバランスが悪くなります。

 

 

すると、偏心率が悪くなる(耐力壁のバランスの中心と建物の重心との距離が離れる)ため、力が集中してしまうポイントができてしまいます(このポイントが壊れやすくなります)。
これを避けるためにはやはりプランの時点で壁がバランスよく配置されていることを確認することが重要だなと感じています。

 

次に吹抜の位置についてです。
建物の強さは(許容応力度計算では)壁(耐力壁)と床・屋根(水平構面)の強さで決定しています。
耐力壁と水平構面の関係は耐力壁に力が流れるので耐力壁間をつなぐ水平構面が耐力壁線内の耐力に比べて弱いと床や屋根が壊れてしまいます。
なのでもし壁全てを耐力壁にした場合、ほとんどの場合は水平構面が耐えられなくなってしまいます。
水平構面の強さはx、yそれぞれの方向で耐力壁線間の強さに奥行をかけた数値となります。
そのため吹抜、階段はそもそも上階に床がないため水平構面の強さは0になってしまいます(屋根の強さはありますが床ほど強くありません)。

そのため位置が大切になってくるというわけです。
下記のような例だとかなり厳しい状態となってしまいます。

 

 

なのでプランを検討する段階で吹抜の位置を少し気にしてあげるといいと思います。

 

ここで話してきた内容は意匠的には制約と感じてしまいがちですが(私もそう感じてしまうことが多いです)理解をより深めると、それを守ることで意匠的により美しくなる(なんとなく見てて安心感のある、落ち着いていて脆さがないといった感じ)のかなと思っています。

 

今回はこのあたりで、皆様は体調には十分お気をつけください。

 

夏目

この記事を書いた人

夏目 宙碧
設計・現場管理/きほんのきのいえ

夏目 宙碧

Hiroto Natsume

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