「構造はモノコックですか?」実際にあったご質問
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先日、初回の無料相談をさせていただいたのですが、
「マドリヤさんはモノコック工法ですか?」
とおたずねがありました。
うーん。ちがう。うちは在来工法(軸組工法)以外の呼び名の工法はない。
聞いたことはあるし、なんとなくのイメージはあるけど、実は詳細は知らないなと思い、その場でざっくり調べさせていただきました。
モノコックという言葉自体は「外皮に構造耐力を持たせるもの」ということのようで、木造の例としてツーバイフォー工法が該当するとのこと。
他社さんのホームページもいくつか拝見すると、軸組工法に耐力面材を止めつけたものも「モノコック」と呼んでいるようです。
うん、それならうちも「モノコック」だ。
外壁の下地として、「構造用スターウッド」を規定の釘ピッチで止めつける工事を標準的に行っています。
ただ、「モノコックだから安心だ」とはならないことには注意が必要だと思います。
構造計算を実際にやってみるとわかりますが、外壁下地だけで成立する建物はありません。
耐力壁の配置、柱の引き抜き、水平構面、、、、
あちらを立てればこちらがたたず、というような状況でバランスさせていくのが実際の計算になります。
ここでいう「モノコック」の利点は、筋交いを外壁面からなくせるということだと考えています。
外壁にはいくつもの役割があります。
見栄えをよくする、湿気を抜く、雨風をしのぐ、断熱をする、構造をささえる、内側は内装にもなる、などなど
外壁の位置で筋交いのかわりに面材が働いてくれれば、壁の中には断熱材をしっかりと入れる空間が確保できます。
作業もシンプルになり、現場でのチェックもしやすいです。
余談ですが、ツーバイフォーは筋交いはありません。面材とツーバイフォー材、釘のみで生産できるとても効率的な工法だと思います。
また、火が回っていくルートにたくさんの障壁があるので火災にも強いのは大きな利点ですね。
私たちも経験はありますので提案は可能ですが、ツーバイフォー工法にはそれはそれでいろいろなルールがあり、デザイン上の制約は大きいとお考え下さい。
落合