「マドリヤ木工部らしさ」とは何か
- Category:マドリヤ木工部 (マドモコ) ブログ
- Writer:相須 友昭
先日、10月から始まる来季に向けてマドリヤ全体のミーティングがあり、「きほんのきのいえ」と私が所属する設計から自社で工事まで行う「マドリヤ木工部」とそれぞれ来季の目標や方針発表を行いました。
ミーティング後、マドリヤ木工部で何棟お引き渡しをしてきたっけ?と話がでていて、気になり今日改めて数えてみたら、2020年の発足から4年、今月末のお引き渡しをもってちょうど30棟という節目、そして現在、35棟目のお客様の設計が進んでいます。
元々、OBスタッフの梅澤が施工も含めて自分で全部やりたいという相談に、設計だけでなく施工にも責任を持ちたいと考えていた私が背中を押してスタートしたマドリヤ木工部、多くのお客様にお引き渡ししてきたのだな、と感慨深く思う一方、マドリヤ木工部として大事にしているテーマや、フィロソフィーは何なのか、という事を今までの実績を振り返りながら改めて考えています。
(過去のブログで書いている「こうありたい」というものはありますが)
木材や素材、建材の使い方など定番になっているものがあり、完成写真を並べてみてその点のらしさというのはあるのですが、表面的には見えないもの、暮らしの中の何気ない一瞬、家の中で過ごす時間、楽しさや心地良さ、豊かさを感じる事ができる場所やシーンを提案し設計する事、そこであるのではないかと思っています。
たとえば私の自宅での暮らしのシーン
・朝、歯を磨きながら窓に視線を外に移すと紅葉した庭木が見えて感じる秋
・ソファに座り横の窓から入る風に心地良さを感じる
・離れの書斎で過ごす一人のまったりした時間
・書斎で仕事をしている私に帰ってきた娘が窓越しに手を振ってくれている
・登校する我が子をリビングの窓から見送る
・吹き抜けの窓から見える中秋の名月
・ロフトのハンモックで横になりならがら聞こえるリビングで話をしている妻と娘の会話の程よい距離感
・壁で切り取られた空、雲の動きや刻々と変わる空の色をみて感じる時間の流れ
・シンボルツリーが作る木陰の下で珈琲を飲む
・リビングとつながる壁で囲まれたプライバシーのあるバルコニー、ブラインドを開けた時の解放感
・2階リビングに居ても聞こえるただいまの声
など・・・
どこにいて、何が見え、何を感じるのか、という情景をプランの中で考えるのが大事だよね、と普段からスタッフみんなで話をしているのですが、暮らしの一瞬一瞬の積み重なりが住まいなのだと改めて感じています。