換気の話 レンジフード編
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こんにちは、相須です。
近年の住宅は高気密化が進んでいて、気密を示す「C値」、ざっくり言うと建物の中と外部との境(外壁、屋根、床など)に存在する隙間面積(㎠)を延べ床面積(㎡)で割った数値、は1.0を切るのが当たり前のようになっています。
私たちもC値1.0を切る事を目安としているのですが間取りや仕様によっては0.5を切ることもあります。
それがどれくらいの数値なのかというと、例えば100㎡(約30坪)で隙間が50㎠、つまり約7㎝角しかないという計算です。
現在の住宅は空気環境の維持のために2時間で家の中の空気が入れ替わるように24時間換気をしなければならない事が法律で決められているのですが、
高気密だからこそ水廻りなどの換気扇から空気を吐き出した分、各居室に設けた給気口から計画通りに新鮮空気が入ってきてしっかり換気されるのです。
そこで問題になるのがキッチンのレンジフードによる換気です。
その風量は1時間当たり500㎥前後もあり、上記の24時間換気が時間あたり100~120㎥なのを考えると相当な風量なのかが分かります。
その換気風量に対応するためキッチンの傍には大きなレジスター(給気口)を設けなければならないのですが、
給気口が開けっ放しにしているとレンジフードが回っていない時でも24時間換気が稼働しているので冬などは常に冷たい空気が入ってきて寒さを感じますし、
各居室の24時間換気用の給気口から空気が入りずらくなり各部屋が計画通りに換気されません。
かといってレンジフードを使う際にわざわざ開けたり閉めたり中々しないもの。
そのため私は「同時給排気型レンジフード」という換気だけでなく給気のダクトもつながっていてONOFFに合わせてダンパーを開閉してくれる機能が付いているものをご提案しています。
出典:パナソニック
同時給排気型はデザインやサイズなどのバリエーションが限られるので、場合によっては「電動給気シャッター」という給気口で計画する事もありますがレンジフードの運転と連動して開閉するので機能としては同じものです。
私の自宅もこのタイプ
換気扇を回していなくても勝手に空気が出入りしていたような昔の家では気にすることもなかった話ですが、逆に現在の高気密の住宅ではしっかり考えなけれ十分な換気が行われないのでこの様な部分も気をつけたいところです。
アイスでした。