マドリヤ「らしさ」について③
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落合です。
マドリヤが提供しているものは一般にいう「注文住宅」というジャンルで分類して大丈夫だと思いますし、きめ細やかにご要望を(ニュアンスも含めて)お聞きし、把握しながら家づくりを進めるタイプですが、「注文された家を建てる」会社かといえば少し違う気がします。
とはいえ、(当たり前ですが)お客様がいないところで何も言わずに勝手にあれこれ決めてしまうということでもないわけで、詳しく説明が必要ですし、この論点が一番、マドリヤというものの「らしさ」をご理解いただくのにちょうどいいテーマだなと思い、ブログにしたいと思います。
ここで、「ニーズ」というものの分類について整理します。「ニーズ」があって建築をする、というのが私たち注文住宅分野の仕事なので、スタート地点のお話しですね。
ちなみに私が考えたわけではなくマーケティングの恩蔵直人先生(早稲田大学商学部)の整理です。20代の頃にこの整理に出逢いまして、今でも指針にしています。
ニーズは、
①明言されるニーズ
②真のニーズ
③学習されるニーズ
に分けられます。
①は、わかりやすく、「エアコンを買い替えたい」と量販店に買いに行くようなニーズです。
②は、物を買う欲求というより、「部屋をもっと涼しくしたい」というような根本的なニーズですね。
③は「そうそう、そういうものが欲しい」となるようなニーズです。エアコンの話で言うと、「実は二重サッシにすれは今のエアコンでも十分ですよ」というような話ですかね。
同年代の方なら通じるかと思いますが、パカパカ携帯やブラックベリーしかなかった2007年に出てきたiPhoneはまさに③でした。
注文住宅のサービスのイメージを①で捉えることも可能ですし、言われた通り作っていれば丸く収まるといえば収まるので、それもアリなのかもしれません。「これをこう作ってください」「はいわかりました」「できました。何か問題でも?」という感じでしょうか。
私たちは、住宅というものあるいは建築というものはそういうふうに扱ってうまくいく物ではないと思っています。
なので、マドリヤの打ち合わせはこういうふうになります。
「インスタで見た、こういう斜めの天井ってできますか?」
「できますよ!上からの明るさが欲しい感じですかね?」
「というより、すこしでも広く見せたいので寝室をこういうふうにできたらと思います」(②の話)
「なるほど、広さ感ですね。高さ方向に空間を広げる場合、その部屋の広さとのバランスがとても重要です。いたずらに高くしてしまうとかえって壁の圧迫感が強まって狭く感じる場合もあるので、ここまでではなく、10センチだけ平らに上げませんか?」(③の話)
という感じです。
ここで、「ああはいはい、勾配天井にしておきます、構造変更でおいくら万円です」
と片付けてしまえばいかに簡単かということなのですが、「こういうふうにしたい」の「ふう」の部分をしっかり掘り下げて私たちもお客様と一緒に納得して設計したいのです。
ここで、「間取りのイメージスケッチなんて持っていったら怒られるかもしれない…」とか思わないでくださいね。間取りに関してはまた別の記事を書きますが、あくまでコミュニケーションツールなので、どんどん書いて持ってきてください!
むしろ「え、すごい。もうこのままでいいんじゃないですか?ただ構造的にはここをこう調整して…」というふうに進んだ場合もありました。
ということで、私たちは「言った通り」にはならないが、みんなが納得して作り、ご満足いただく家づくりを目指しています。
一方で「きほんのきのいえ」というのもありますが、これはどういう意図で用意しているのかを改めて次回、ご説明したいと思います。「寸法とコスト」というお話しになると思います。
落合でした。